
「人形作家 村上しま子さんの 戦時人形」の展示にあたって
今年は、太平洋戦争の終戦から80年にあたります。土崎みなと歴史伝承館では、土崎港被爆市民会議と協力して、土崎空襲を伝え平和について考える取り組みを進めてきました。その一環として、今回、戦時人形作家・村上しま子さんの作品を展示できることになりました。
村上さんは1931年に鳥取県で生まれ、幼い頃にご両親を亡くしました。ひとりで家事や農作業をこなしながら、大人たちの姿や当時の暮らしを心に刻んだといいます。終戦の年には兄の信義さんがフィリピンで戦死され、その50回忌を迎えた1994年、「犠牲になった多くの人の供養になれば」と人形づくりを始められました。約15センチの小さな人形には、戦時中の庶民のくらしが丁寧に表現されています。
戦後80年の今、作品を通じて、戦争の悲しみや平和の大切さをあらためて感じていただければ幸いです。
本展示にあたりご快諾いただいた村上様をはじめ、仲介の労を取ってくださいました三種町の岩谷様、そしてご協力いただいた関係の皆様に心より感謝申し上げます。
2025年11月30日
秋田市土崎みなと歴史伝承館
指定管理者 土崎みなと街づくり協議会
会長 品 田 福 男
